ずっと絵を描くのは好きでしたけど、和のものに特に興味があったわけではなくて、きっかけは、結婚して夫の仕事の関係でしばらく暮らしたニュージーランド体験。海外に居るとかえって日本に目が向くようになるみたいで、東京に帰ってから、今度夫の仕事についていくときは、わたしも向こうで和のものを仕事にできないかなって思いはじめたんです。

絵を描いてみたり布で袋とかつくってみたり、でもしっくりこなくて…そんなとき、ふと、かんざしに出会いました。長い髪の毛をたった一本で束ねられる実用的なところ、縄文時代の遺跡から漆塗りのかんざしが出土している歴史的なところ、知れば知るほど面白くて、どんどんはまっていきました。「よし、かんざしでやっていこう」と決心。2006年、「かんざし棒橡」をスタートさせました。

着物のときにきらきらと飾りで刺すだけのかんざしは寂しい気がして、普段着にヘアアクセサリーとしてつけても可愛いデザインのかんざしを、木でつくっています。何回も塗りを重ねていく過程では、どんなものに仕上がるのか本人にも見えないんですよ。できあがった完成品を目にするときはいつも「やったあ!」って感じです。

手しごと市は、スタッフの方たちがとてもあたたかくて、室内でできるのもありがたいし、あと井荻會館の建物もいいですね。他の出展者さんもバリエーションがあって、ホント、ここは面白いです!

(2014年 冬号)